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ねこちゃんの膀胱炎のお話

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こんにちは☆
日差しが暖かく、すっかり春の気配を感じられるようになりましたね☆

まだまだ涼しいかも?と思っていても毛皮を着た動物たちにとっては堪える暑さになることもあります

急な温度変化は人間も動物も体調を崩しやすくなりますので、皆さま十分に気を付けてくださいね

 

さて、本日はネコちゃんの来院理由に多くみられる『膀胱炎』についてお話ししたいと思います

《ネコちゃんに膀胱炎が多いのはどうして?》
ネコちゃんと暮らす飼い主さまでも一度は耳にしたことがある病気の1つが『膀胱炎』ではないでしょうか?
ネコちゃんの祖先は元々砂漠に生息していた動物です
水飲み場の少ない砂漠で暮らすネコちゃんは、水を飲む量が少くても生きていけるように体の中でおしっこを濃縮し、残った水分を体の中で再利用するなど少ない水分で生活するのが得意な動物です
わんちゃんよりもネコちゃんのおしっこが濃くて、匂いがきつく、ネコちゃんにおしっこのトラブルが多いのはこれらが関係しています

《膀胱炎ってどんな病気?》
では実際に膀胱炎とはどのような病気なのかをお話しします
膀胱炎とは読んで字の如く『膀胱』で『炎症』がおきる病気です
さまざまな原因で膀胱で炎症が起きる事でトイレの回数が増える、血尿が出る、おしっこが出にくいなどの症状を引き起こします

そんなネコちゃんの膀胱炎は大きく2つに分かれます

①細菌性膀胱炎
②特発性膀胱炎

 

①細菌性膀胱炎
膀胱の中にはいつも悪さをしない程度の細菌(常在菌)が住んでいます
この菌が何かをきっかけに増えてしまったり、尿道が肛門に近い事から大腸菌などが膀胱内に入ってしまい細菌感染を起こす
これが『細菌性膀胱炎』です

 

②特発性膀胱炎
一方でこれといった原因が分からず、膀胱炎の症状が出るのが特発性膀胱炎です
『特発性』=『大きな原因が無い』という意味で、ストレスなどが主な要因になっているのではないかと言われていて、若いネコちゃんに多くみられます

わんちゃんでは①細菌性膀胱炎が多いのに対して、ネコちゃんでは②特発性膀胱炎が多くみられます

 

《膀胱炎の原因は何だろう?》
①細菌性膀胱炎
菌が増える原因として寒さなどからトイレを我慢してしまったり、膀胱の中に実は結石があって膀胱が傷ついて炎症を起こしてしまうこと《尿石症》などがあげられます。

※《尿石症》(尿結石)
ごはんの種類や成分、体質によって膀胱の中に石を作ってしまう病気です
※先日そら動物病院でも「血尿を繰り返し、昨日からはおしっこが出ない」という症状で来院し、膀胱の中に大量の結石が見つかったネコちゃんがいました
検査の結果たくさんの結石があり、それが何度も尿道に詰まってしまった事から手術をしたネコちゃんがいました
膀胱の中からは大量の結石が!!

↑取れた結石のほんの一部です

手術も無事に終わり、今は元気に過ごしています☆

 

②特発性膀胱炎
先ほども述べた様に『これといった原因』が特定できず、ストレスが大きく関わっているといわれていますが未だ原因は不明です
原因が不明なだけに治りが悪かったり、繰り返してしまう事があります

 

《どんな症状なの?》
膀胱炎のネコちゃんでもっとも多い症状が『頻尿』です
「何度もトイレに行く」「トイレとは違う場所でおしっこしてしまう」などがみられたら注意しましょう!
また、逆に「おしっこが出ない」「血尿が出る」などの症状が出ることもありますので普段からお家のネコちゃんのトイレの回数や尿量や色をチェックしておきましょう。

※その他にもおしっこが出づらい違和感から「下腹部を舐める」「お尻周りの毛が薄い」なども症状の1つとしてあげられますので注意しておきましょう!

 

 

《予防方法はあるの?》
ネコちゃんの膀胱炎に配慮した食事やサプリメント、積極的に水分を摂取することなどがあげられます

ネコちゃんが好きなお水の飲み方や器、置き水の数を増やすなどの工夫をしネコちゃんがお水を飲む機会を増やしたり、結石をできにくくするフードを選ぶのも良いでしょう☆
またトイレの数を増やすなどトイレを我慢させないのも1つです
肥満のネコちゃんに多くみられる事からも体型の維持にも気をつけましょう

そしてもう一つ大切なのが定期的な『尿検査』です
おしっこのpHを調べたり、血が混じっていないかを確認でき、また結石の元になる結晶成分を見つける事ができます
病院に来るのがどうしても苦手なネコちゃんは最低限おしっこの検査だけでもおすすめしています

《最後に…》
今回はネコちゃんの『膀胱炎』についてまとめてみました

少し難しい話になってしまいましたが、どんな病気も大切なのは早期発見、早期治療です
毎日一緒に生活する中で「あれ?なんかいつもと違う気がするな?」「何かおかしいな?」と感じたら、それは病気のサインかもしれません

大好きな我が子のちょっとした変化に気がつけるのは飼い主さんだけ!!
気になる事があればいつでもスタッフにお尋ねくださいね☆

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